稲葉剛さん(「NPOもやい」代表理事・「STOP!生活保護基準引き下げ」アクション呼びかけ人)の『生活保護から考える』が岩波新書で2013年11月20日に出版されました。超お勧め本です!
稲葉剛『生活保護から考える』岩波新書
《すでに段階的引き下げが始まっている生活保護制度.生きるための最後の砦であるこの制度がこの秋,大きな岐路を迎えている.不正受給の報道やバッシングのなか,どのような事態が起ころうとしているのか.生々しい当事者の声を紹介するとともに現場の状況を報告,いま,何が問題なのか,その根源を問う.》
以下は『生活保護から考える』203-204頁からの引用です。
《生活保護制度の本当の意味とは何でしょうか。それは人間の「生」を無条件で保障し、肯定するということだと私は考えています。「生」と言うと、最低限の生存が維持できている状態という意味に受け取られがちですが、ここで言う「生」とは衣食住だけでなく、健康で文化的な生活、つまり「人間らしく生きる」ことを意味しています。
現代社会において「人間らしく生きる」ためには経済的な基盤が不可欠です。その基盤を支えるための制度はさまざまありますが、どんな人に対しても最後のラインで「生」を防衛しているのが生活保護制度だと言えます。その意味で、生活保護制度は「人間らしく生きたい」という人として当然の願いを無条件で肯定している制度だと私は思います。》
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