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「全国生活と健康を守る会連合会(全生連)」の抗議声明(2013年10月12日)

大阪府警による不当捜査に対して、「全国生活と健康を守る会連合会(全生連)」が、2013年10月12日、抗議声明を出しました。全文を転載させていただきます。

☆転載開始☆

【拡散!至急お願いします】

大阪府警による不当捜査に抗議の集中を!

大阪府警は不当にも、大阪市淀川区での生活保護「不正受給」を口実にして、淀川生活と健康を守る会に3回、全大阪生活と健康を守る会連合会に2回、さらに10月10日には全国生活と健康を守る会連合会・本部事務所にも家宅慢査を強行しました。
翌11日には不服審査請求が全国で1万件を超えた記者会見を準備中の家宅捜索であり、生活保護大改悪への反対運動のひろがりのなかでの弾圧事件であることは明白です。
厳しく抗議するとともに、別添の全生連の要請に基づき、大阪府警への抗議電報(または抗議文の郵送)の集中にご協力いただきますようお願いいたします。

1.抗議先
〒540-0008
大阪市中央区大手前三丁目1番11号
大阪府警本部長 様

2.抗議文案
全生連・大生連・淀川生健会への捜査に強く抗議し、違法撞査を直ちに中止することを求めます。

3.注意事項
今後の影響を考慮し、全生連は別添のとおり、「今回は組織からの抗議」としていることを申し添えます。

以上

2013年10月12日
各組織、関係各位 御中
全国生活と健康を守る会連合会

大阪府警による不当捜査に抗議の集中を

連日の奮闘、お疲れさまです。
この間、大阪府警は大阪市淀川区での生活保護の「不正受給」を口実に、淀川生活と健康を守る会に3回、全大阪生活と健康を守る会連合会に2回、そして10月10日に全国生活と健康を守る会連合会事務所の家宅慢査を強行しました。この家宅捜査は、生活と健康を守る会への組織弾圧であり、生揮権の確立をめざす団体や国民に対する攻撃であり、断じて許されません。
全国生活と健康を守る会連合会・全大阪生活と健康を守る会連合会は、別紙の抗議声明を発表し、抗議と反撃のたたかいをはじめます。全国から大阪府警に抗議電報を集中していただくようお願いします。

抗議先
〒540-0008
大阪市中央区大手前三丁目1番11号
大阪府警本部長 様

抗議文案
全生連・大生連・淀川生健会への捜査に強く抗議し、違法撞査を直ちに中止することを求めます。

… 注意 …
▼個人の抗議は、今後のたたかいの中で各個人に迷惑が及ぶ場合を考慮し、今回は組織からの抗議とします。

★抗議声明

(1) 大阪府警察本部警備部公安第1課は、2013年10月10日、不当にも、全国生活と健康を守る会連合会(以下・全生連)事務所の家宅捜索を強行しました。
我々は、不当捜索に怒りを込めて抗議し、生存権保障運動に対する攻撃と組織弾圧を直ちに中止することを要求するものです。

(2) 捜索理由は、大阪市の淀川生活と健康を守る会元会員の女性に対する生活保護法違反被疑事件についてです。捜索に入った警察官は、それ以上は明らかにしませんでした。
不正受給を許さず、地域住民に支持される社会的道理に基づく方針で運動をしてきた全生連への捜索は明らかに違法です。にもかかわらず警察の言うがままに「捜索差し押さえ許可状」を発行した大阪地方裁判所裁判官の判断も、極めて不当です。

(3) 今年8月からの生活保護基準の引き下げにたいし、「命を削れというのか。引き下げは納得できない」と、全国で1万世帯を超える生活保護利用者が審査請求に立ち上がっています。申請権・受給権を否定し、国民の権利から救貧制度に変質させる生活保護法改悪に反対する国民的運動が広がっている中で、運動を押さえ込むことを狙ったものです。
警察が押収した資料は、「全生連第39回全国大会決定」など、事件とはかかわりのないものであり、組織弾圧を意図したものであることは明らかです。

(4) 生活保護法は不正受給に対して、返還命令や保護の停止・廃止など行政の対応を決めています。全生連の抗議にたいし捜査官は生活保護申請に同行することについて触れています。同行は、人権侵害の「水際作戦」のなかで、申請者の意思にもとづいて申請権を守るための行動であり、何ら違法ではありません。こうした生活保護行政の原則や国民の権利を踏みにじる行為は許されません。

(5) 全生連は、「低所得者を中心とした地域住民の生活と健康、権利の保障を、国や地方自治体、大企業に要求し、実現することを目的」(全生連規約第2条)とし、創立以来59年間にわたって、「貧困からの解放」をめざし生存権保障制度の確立・改善の運動にとりくんできました。
全生連は、生活保護制度と社会保障の総改悪、消費税増税に反対し、国民生活を守るために、国民各階層と連帯して闘う決意を表明するものです。

2013年10月12日
全国生活と健康を守る会連合会

★大阪府警の不当・違法な家宅捜索に対する声明文

(1)2013年10月10日、淀川生活と健康を守る会事務所と全大阪生活と健康を守る会連合会(大生連)事務所、全国生活と健康を守る会連合会(全生連)が被疑者女性Bに関連して、大阪府警察本部警備部によって家宅捜索を受けた。淀川生活と健康を守る会と大生連の家宅捜索は9月12日に続いて2回目である(このときは被疑者女性Aに関連して)。
大阪府警は2回の家宅捜索とも理由を明らかにしなかったが、新聞各紙は被疑者女性AとBとも生活保護を申請した際に淀川生活と健康を守る会役員が同行したことで大阪府警が捜索をしたと報道している。

(2)そもそも生活保護の申請同行は何ら違法行為ではない。大阪府健康福祉部社会援護課は「相談者本人が第三者同席を求める意思を示したときは、これを確認の上、第三者同席による相談を行ってください」(2007年3月23日付 大阪府社援第3626号)という通知文書を各市の福祉事務所に出しており、申請同行を認めている。大生連は、本人が申請同行を求めた場合、同行をして本人の申請権を守るという立場をとっている。生活に困窮し、生活保護を利用したいと福祉事務所へ行っても、申請させてもらえずに追い返される事例は今もあと絶たない。こうした実情を反映して日本の生活保護の捕捉率は15%~18%という低水準に止まっている。したがって申請同行は生存権保障のための大切な権利である。

(3)生活と健康を守る会は憲法第25条の「生存権保障の確立をめざし、生活と健康・権利を守る運動をすすめ、福祉と教育の充実〔略〕社会保障の確立、および平和と民主主義に寄与することを目的」(大生連規約第2条)をもとに60年にわたって運動を続けてきた市民団体である。私たちは、法律に反することや「不正受給」は絶対に許さない立場を明らかにしており、2009年7月の第31回大生連大会でも「運動は地域住民から支持される社会的道義にもとづく活動に徹する」と方針にも明記しており、これを内外に明らかにしているところである。

(4)9月12日の捜索は、全国いっせい生活保護基準引き下げに反対する不服審査請求提出日(9月17日)の直前に行われた。10月10日の家宅捜索は今国会で生活保護改悪法案が審議される直前である。9月12日に押収した資料の中には大生連がとりくんでいる不服審査請求の集約表なども含まれており、10月10日の押収資料は大生連第33回大会議決定集と全生連発行の「守る新聞」だけであった。これら資料は淀川の被疑者AとBの生活保護法違反容疑とは何ら関係がない。刑事訴訟法第102条2項の「被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる」という条文から見ても、大阪府警の家宅捜索と押収は不当であり違法である。同時にこのような捜索令状を許可した裁判所の行為も不当といわざるを得ない。今回の家宅捜索は憲法25条の生存権保障の確立をめざして運動する生活と健康を守る会に対する弾圧以外のなにものでもない。この弾圧事件対して、私たちは弁護士とともに法的手段もふくめて、毅然とした対応をしていくことを表明する。

2013年10月11日
全大阪生活と健康を守る会連合会

☆転載終了☆

 

※この記事のリンク用短縮URLです。⇒ http://nationalminimum.xrea.jp/zsr131012

「1万件審査請求」の達成を踏まえ,生活保護基準引き下げの撤回と生活保護基準部会における慎重な検討を求める要望書&審査請求件数データ

「1万件審査請求」の達成を踏まえ,生活保護基準引き下げの撤回と生活保護基準部会における慎重な検討を求める要望書&審査請求件数データ》を「生活保護問題対策全国会議」ブログより全文転載させていただきます。

☆転載開始☆

 「要望書」(PDF版)のダウンロードはこちらから。

2013年10月11日

厚生労働大臣  田村 憲久 殿

社会保障審議会生活保護基準部会 部会長 駒村 康平 殿

 

生活保護基準引き下げにNO!全国争訟ネット 共同代表 尾藤廣喜・竹下義樹

「STOP!生活保護基準引き下げ」アクション 呼びかけ人代表 宇都宮 健児

生活保護問題対策全国会議 代表幹事 尾 藤 廣 喜

全国生活と健康を守る会連合会 会長 安 形 義 弘

中央社会保障推進協議会 事務局長 山 口 一 秀

生存権裁判を支援する全国連絡会 会長 井 上 英 夫

 

「1万件審査請求」の達成を踏まえ,生活保護基準引き下げの撤回と生活保護基準部会における慎重な検討を求める要望書


第1 はじめに 国は,総額670億円(平均6.5%,最大10%)という過去前例を見ない大規模な生活保護基準の引き下げを決め,本年8月に最初の引き下げが始まりました。私たちは,「前例のない攻撃に対しては前例のない反撃を」と,「1万件審査請求運動」に取り組んできましたが,合計1万191件の審査請求がすべての都道府県に提起され,遂に目標を達成しました。 過去最多の年間審査請求件数1086件(2009年)の約10倍の審査請求が,本年7月26日の呼びかけから2か月余りの短期間で提起されたのです。生活保護に対する強いバッシングを乗り越えて,これだけ多くの当事者が立ち上がったことは,基準引き下げの手法に全く道理がなく,さらに厳しい状況に追い込まれたことに対する当事者の怒りの強さを示しています。 国は,この当事者の声の重みを真摯に受け止めなければなりません。

第2 要望の趣旨1 根拠のない生活保護基準の引き下げを直ちに撤回するとともに,インフレ(特に食費,光熱費等)を考慮して,むしろ引き上げてください。
2 再開された生活保護基準部会の運営にあたっては,
① 生活扶助引き下げの最大の根拠とされた「物価動向(デフレ)論」の妥当性,仮に「物価動向」を考慮するのであれば,どのように考慮すべきかについて十分に検討・検証してください。
② 技能習得費等の一時扶助,住宅扶助,加算の削減・廃止等新たな保護基準削減実現の場として悪用しないで(されないで)ください。
③ 部会委員に生活保護利用当事者や支援者・法律家を入れてください。少なくとも,当事者の意見を聴取する機会を設けてください。

第3 要望の理由1 生活保護基準引き下げの撤回とインフレを考慮した引き上げ 繰り返し主張してきたとおり,今回の生活扶助基準の大幅引き下げは,結論先にありきで正当な根拠が全くありません。引き下げに正義がないことは,1万世帯以上の当事者が審査請求に立ち上がったことからも明らかです。 また,デフレを理由に基準は引き下げられましたが,アベノミクスは2%のインフレ目標を掲げ,現に8月の消費者物価指数は前年同月比で0.8%上昇し,電気代(前年同月比8.9%上昇),ガソリン代(同13.2%上昇)等のエネルギー価格の上昇には著しいものがあります。これらの物価上昇が生活保護を利用する低所得者の生活を直撃することは明らかであり,10月4日の基準部会において岩田正美委員が正当に指摘されたとおり,生活扶助基準を「当然に上げる」べきです。 デフレだけは大幅に考慮しておきながら,インフレは全く考慮しないというのであれば,論理の一貫しない単なる「弱い者イジメ」というほかありません。

2 生活保護基準部会の運営について(1)引き下げの最大の根拠とされた「デフレ論」の検証を 総額670億円の引き下げの9割方を占める580億円は基準部会において全く議論されなかった「物価動向(デフレ)を勘案」したものでした。昭和59年以来採用されてきた「消費水準均衡方式」の変更が,専門部会である基準部会での検討を全く経ずに行われるという極めて乱暴な事態です。 しかも,厚生労働省が大幅な基準引き下げの根拠とした「生活扶助相当CPI」なるものは,生活保護利用世帯ではない一般世帯のデータを使い,総務省が通常用いる統計処理の方式とは全く異なる「基準年」の設定を行った結果,生活保護利用世帯では購入頻度が低く,本来は殆ど影響を受けないはずの,物価下落幅の大きい電化製品の影響が増幅され,総合物価指数の2倍以上の下落幅(4.78%)を導くという極めて恣意的で「でっち上げ」とも言えるものです。 こうした厚生労働省の横暴は,学識経験者の専門部会である生活保護基準部会の存在意義を無視し,冒涜するものです。再開された基準部会においては,まず,「物価動向を勘案すること」の是非と「勘案するのであれば,どのように勘案すべきか」が十分に検討・検証されるべきです。

(2)さらなる引き下げの口実をつくる場として悪用しないで(されないで) 厚生労働省は,10月4日の基準部会において,「住宅扶助や加算制度について客観的データを用いた分析」を行うこと,技能習得費等の一時扶助について,「活用実態を踏まえながら,今日的な役割やより効果的な見直しができないか」の議論を提案しています。特に技能習得費については,アンケート作業を行っているということであり,就労収入に対する「特別控除」が昨年11月の基準部会で示されたアンケートを根拠に「活用の程度にばらつきがある」として廃止されたのと全く同様の手法によって技能習得費を廃止することが強く懸念されます。 しかし,技能習得費(原則75,000円以内,特別基準124,000円以内)は,例えば運転免許の習得など就労自立を容易にするために非常に効果的な制度です。活用実態にばらつきがあるのなら,扶助できる金額が低すぎるなど活用しにくい点を改善するとともに,活用していない福祉事務所に対して十分な活用を促すことこそが求められています。今般の制度改革は一方で「就労自立の強化」を謳っています。技能習得費の削減・廃止は,有効な支援メニューを奪いながら,就労自立のみを強いることにつながり,「支援なき就労恫喝」の横行を招くことが必至です。 基準部会が,こうした見え透いた誘導に乗せられ,さらなる引き下げの口実をつくる場として悪用されることのないよう,慎重な審議を望みます。

(3)当事者・支援者の声を聞いて 制度改革にあたっては,最も影響を受ける当事者の声を十分に聞くことが当然に必要ですが,生活保護の分野においては,当事者の声は徹頭徹尾無視されてきました。基準部会における委員構成や審議の仕方も例外ではありません。しかし,障がいの分野では,政府の障がい者制度改革推進本部に当事者が多数委員として参加するなど,「私たち抜きに私たちのことを決めるな」という考え方が定着しています。その他の政府の審議会においても,当事者からのヒアリング等を行うことは一般に行われています。生活保護利用者は,社会的に強いスティグマ(偏見や恥の烙印)があり,最も声を上げにくい立場に置かれています。だからこそ,本来,意識的にその声をすくい上げることをしなければ制度改革の方向性を誤ることとなります。生活保護基準部会の委員にも生活保護利用当事者や支援者を入れるべきであり,少なくとも意見聴取の機会は設けるべきです。

以 上

 

10月4日社会保障審議会生活保護基準部会資料「今後の議論の進め方について

 

審査請求件数集約(2013.10.10)

PDF版のダウンロードはこちらから click

集計表(2013年10月10日)

地域名/①全国争訟ネット集約分/②全生連集約分/各県小計
① 各県法律家団体、全国関係争訟ネットにて集約したもの
② 各県連・単位組織の他、全生連にて集約したもの

北海道 8/1,373/1,381 
青森県 1/223/224 
岩手県 1/24/25 
宮城県 3/85/88 
秋田県 0/244/244 
山形県 22/3/25 
福島県 0/103/103 
茨城県 2/90/92 
栃木県 2/1/3 
群馬県 30/6/36 
埼玉県 104/247/351 
千葉県 17/174/191 
東京都 173/550/723 
神奈川県 36/146/182 
新潟県 0/322/322 
山梨県 2/15/17 
長野県 26/39/65 
富山県 0/4/4 
福井県 1/18/19 
石川県 77/0/77 
静岡県 23/143/166 
岐阜県 0/35/35 
愛知県 78/134/212 
三重県 7/68/75 
滋賀県 1/30/31 
京都府 56/479/535 
大阪府 124/1,608/1,732 
兵庫県 20/263/283 
奈良県 4/50/54 
和歌山県 16/0 16 
鳥取県 0/45/45 
島根県 1/0/1 
岡山県 5/280/285 
広島県 2/418/420 
山口県 0/110/110 
徳島県 2/56/58 
香川県 13/15/28 
愛媛県 196/13/209 
高知県 34/0/34 
福岡県 7/887/894 
佐賀県 44/1/45 
長崎県 0/12/12 
熊本県 33/144/177 
大分県 0/162/162 
宮崎県 1/45/46 
鹿児島県 0 320/320 
沖縄県 13/12/25 
地域不明 9/0/9 
合計 1194/8,997/10,191


生活保護審査請求数の推移(2003年度~2011年度)
2011年度/918件 
2010年度/936件 
2009年度/1,086件(過去最高件数)
2008年度/744件 
2007年度/635件 
2006年度/1,054件 
2005年度/790件
2004年度/1,029件
(老齢加算減額処分取消請求が集団で出され、初めて1000件を超えた。)
2003年度/370件
出所:福祉行政報告例(厚生労働省統計)

☆転載終了☆

 

※この記事のリンク用短縮URLです。⇒ http://nationalminimum.xrea.jp/yb131011

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