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実効性のある「生活支援戦略」の策定と生活保障を求める特別決議

中央労福協が、生活支援戦略と生活保護に関する決議を出しています。
以下に紹介します。

実効性のある「生活支援戦略」の策定と生活保障を求める特別決議

政府は、生活困窮者に対する総合的な支援体系の構築をはかるための「生活支援戦略」の検討作業を進めており、年内に取りまとめが予定されている。
現在、政府のパーソナルサポートモデル事業が27地域で実施され、労福協は5つの地域で実施主体として関わっている。
既存の制度や施策の網の目から漏れた複合的な課題を抱えた人たちに対する寄り添い型で総合的な生活就労支援体系を全国的に整備していくことが切実に求められている。

最後のセーフティネットである生活保護制度の機能を損ないかねない「生活保護バッシング」とも言うべき乱暴な議論が一部政治家やマスコミにより繰り広げられている。生活保護基準についても、予算編成過程において各方面から引き下げ圧力が強まることが懸念される。
生活保護受給者数が210万人を突破し、その増大自体が問題視されているが、問われるべきは、フルタイムで働いても食べていけない、働きたくても働けない社会の有り様にある。
政治や行政がまず行うべきことは、雇用の創出・立て直し、社会保障の充実、生活保護に至る手前でのセーフティネットの構築、所得の再分配機能の強化をはかることである。
生活保護に頼らざるを得ない社会の構造を放置したまま、財政圧縮を名目に生活保護の抑制をはかり、必要な人が必要な支援を受けにくくなるというのは許されることではない。むしろ、生活保護制度も積極的に活用しつつ、初期段階からの包括的かつ伴走型の支援を行うことで、本人の自立も早まり、結果として長期的な社会的コストも軽減できるものと考える。

こうした観点から、中央労福協は、政府および与野党に対し以下の事項を求める。

1.生活支援戦略の取りまとめに当たっては、伴走型支援の充実や社会的包摂の推進という本旨にそって全体を整合性あるものとすること。また、体制整備、人材育成、ノウハウの蓄積等を着実に実行できる財源を確保すること。

2.生活支援戦略の中に住宅手当制度の恒久化を位置づけること。

3.生活保護制度の見直しにあたって、扶養義務の強化や医療費の自己負担導入、後発医薬品の使用義務化は行わないこと。

4.生活保護基準は“いのちの最終ライン”であり、その引き下げは、現に生活保護を利用している人だけでなく市民生活全体に影響を与えることから、現行の水準を尊重すること。

以上、決議する。

2012年11月16日
中央労福協 第5回加盟団体代表者会議

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