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生活保護法の改悪に反対する研究者の緊急共同声明運動

生活保護法の改悪に反対する研究者の緊急共同声明運動」(2013年6月14日)を全文転載させていただきます。「STOP!生活保護基準引き下げ」アクションとご縁のある研究者の方たちも多く参加されています。

☆転載開始☆

2013年6月14日金曜日

緊急共同声明の呼びかけ

 生活保護法の改悪に反対する研究者の緊急共同声明にご賛同下さい。
このメールをご存知の方に転送して下さい。

今、参議院では生活保護法改正案や生活困窮者自立支援法案が審議されています。これは社会保障制度改革推進法(昨年8月成立)が打ち出した「自助・共助」を社会保障に優先させる方向にそって生活保護制度の根底を覆す内容を含んでいます。

もしこれらの法案が通れば、これまでにも増して生活困窮者は生活保護を利用できなくなり、餓死者、自殺者が増える悲惨な事態が広がることは明白です。

残念ながら、今の国会の勢力関係ではこれら改悪法案の成立が阻まれることは極めて難しいと思われます。生活保護はごく少数の貧乏人の問題で、選挙にも影響がないから削っても問題ないというのが現政権や官僚、議員の多数派の考え方であるようです。言うまでもなく生活困窮者は社会的な声を上げにくい弱者です。しかし、「貧乏人は政治に口出しするな」がまかり通れば民主主義は成立ちません。
 
いま新たな高まりを見せている改憲の動きも、排外的ナショナリズムと共に、社会的弱者の排除抑圧とワンセットになっています。

生活保護基準の切り下げなどに反対し、生存権を守る運動はこれから新しい局面を迎えます。国会の力関係からして法案は通るとしても、どれほどの社会的反対の中で通るかは、いのちと人間らしい暮らしを守る今後の運動にも大きく影響します。

私たち研究者はどの立場に立つのか、その良心がこの問題でも問われているのではないでしょうか。

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この緊急声明にご賛同下さると共に、お知り合いに広めて下さるようお願い致します。終盤国会の日程が押しているため、この声明は随時公にしていきたいと考えています。その際には声明の最終段落は適宜改めることを予めご了承下さい。

お名前と共に、所属・専門など identify する事項を添えて下さい(但し発表に当たっては何らかの調整をすることがあります)。

一刻も早いご賛同をお待ちします!
このメールの拡散もお願いします!

2013年6月14日
井上英夫(金沢大学名誉教授、社会保障法)
木下秀雄(大阪市立大学、社会保障法)
後藤道夫(都留文科大学名誉教授、社会哲学・現代社会論)
笹沼弘志(静岡大学、憲法学)
布川日佐史(法政大学、社会保障論)
三輪 隆(埼玉大学、憲法学
村田尚紀(関西大学、憲法学
森 英樹(名古屋大学名誉教授、憲法学

取りまとめ・連絡先 ===========

takm*mail.saitama-u.ac.jp 
(*の部分を@に換えて送信して下さい)

☆転載終了☆

 

※この記事のリンク用短縮URLです。⇒ http://nationalminimum.xrea.jp/kenpou130614

きょうされん《障害のある人の生活を脅かす生活保護法改正に反対する声明》

きょうされんが「障害のある人の生活を脅かす生活保護法改正に反対する声明」を2013年6月20日発表しました。その全文を転載させていただきます。

☆転載開始☆

障害のある人の生活を脅かす生活保護法改正に反対する声明

2013年6月20日

きょうされん常任理事会
 
現在、通常国会で審議されている生活保護法改正案(以下、改正案)に対して、きょうされんは強く反対の意を表明する。これに先立つ5月16日に2013年度予算が確定したことで、3年をかけて行われる生活保護基準引き下げの第一弾が8月には実施される。追い打ちをかけるように、生活保護制度を必要とする人たちを締め出そうとするのが今般の改正案である。その内容は、国民の最低限度の生活を保障するはずの生活保護制度を根本から崩す改悪にほかならない。
 
1万人を超える回答を集めたきょうされんの「障害のある人の地域生活実態調査」(2012年)は、生活保護問題と障害者問題が密接にかかわっていることを明らかにした。国民全体の中で生活保護を受給している人の割合が1.5%であるのに対して、本調査では障害のある人の10.0%が受給しており、その割合は6倍以上となっている。とりわけ「精神障害がある」と回答した人のうち、実に20%余が受給している。生活保護制度は、障害のある人のきわめて厳しい所得状況を下支えしている重要なセーフティネットになっている。
 
それにもかかわらず改正案では、利用にあたって書面での受給申請とするなど「水際作戦」と呼ばれていた違法な対応を合法化して受給しづらくすることに加えて、受給者に対して後発医薬品の使用を促進して医療水準の平等性を奪うこと、健康の増進や適切な生計の把握など受給者に生活上の義務を一層課すことなど、人権保障や社会保障の観点とは真逆をいく施策が並べたてられている。

とりわけ、扶養義務の強化については看過できない。改正案では、自治体が生活保護を申請した人の親族等から扶養に関する報告を求めることができるようになる上に、その対象は過去に生活保護を受給していた人にまで及ぶとされている。障害分野の歴史は、家族依存からいかに脱却するかの運動の歴史でもあった。しかし、先の調査では障害のある人の98.9%までが年収200万円以下のいわゆるワーキングプアの状態にありながら生活保護の受給者は10.0%にとどまっており、今も圧倒的多数が家族との同居などで生活を成り立たせているのが実情だ。今回の措置は一層、自己責任と家族依存を強めるものであり、障害者権利条約がめざす方向とも相いれない。
 
生活保護基準の引き下げや改正案による運用面での改悪、そして6月14日に閣議決定された経済財政運営の基本指針(骨太方針)で明示されたさらなる生活保護制度の見直し(加算や扶助の給付見直し)の一連の方向が具体化されれば、憲法25条でうたわれる国民の最低限度の生活保障が崩壊し、より困難な状況にある障害のある人たちの生活は致命的な影響を受けることになる。

あらためて表明する。障害者権利条約の批准を見据え、障害の有無に関わらず共生できる社会をめざすわたしたちにとって、この法案を到底受け入れることはできない。わたしたちは生活保護制度について、関係する諸団体とともに引き続き運動を進めていく所存である。


障害のある人の生活を脅かす生活保護法改正に反対する声明.pdf

(参考)生活保護基準引き下げに反対する声明.pdf

☆転載終了☆

 

※この記事のリンク用短縮URLです。⇒ http://nationalminimum.xrea.jp/kyosaren130620

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