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東京新聞《生活保護廃案「参院選争点に」》

東京新聞2013年6月27日朝刊記事「民主迷走 一転賛成 首相問責可決」から一部を引用させていただきます。

☆引用開始☆

◆生活保護廃案「参院選争点に」

生活保護費の抑制策を盛り込んだ生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案が廃案になったことについて、支援団体や専門家からは歓迎する声が相次いだ。政府は秋の臨時国会にも再提出する構えで、参院選の争点にするよう求める意見も出た。

生活保護問題対策全国会議代表幹事の尾藤広喜弁護士は「(窓口で申請を拒む)水際作戦の助長や扶養義務の強化などが入っていたので、廃案になってよかった。再提出するのなら、生活保護を受けやすく、自立に結び付くような案に練り直してほしい」と述べた。

吉永純花園大教授(公的扶助論)は「保護申請についての規定は、いわゆる『水際作戦』を容認するもので、(政府の)審議会でも全く議論されなかったのに、法案の段階で急に出てきた。そんなむちゃなやり方をしたつけが出た」と指摘。「扶養義務の強化は時代錯誤的な内容だったので、利用者などが心配していた。そうした不安が背景にあり、廃案になったと思う。政府はしっかり反省すべきだ」と強調した。

首都大学東京の岡部卓教授(社会福祉学)は「生活保護の圧縮は社会保障の歴史に逆行する。政府は制度を後退させるのではなく、充実を図るべきだ」と注文。

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい稲葉剛理事長は「社会保障全体を抑制する方向でいいのか。参院選の争点にして議論してもらいたい」と述べた。 (上坂修子)

☆引用終了☆

 

※この記事のリンク用短縮URLです。⇒ http://nationalminimum.xrea.jp/tnp130627

日本司法書士会連合会《憲法第25条の生存権保障を実現するため、生活保護をはじめとする社会保障制度利用の支援及び同制度の整備・充実を求める活動に積極的に取り組む決議》

日本司法書士会連合会第76回定時総会が2013年6月20日に開催され、総会開会中議案として下記議案が承認可決されました。全文を転載させていただきます(※日司連ウェブサイトには7月ごろ掲載される予定だそうです)。

☆転載開始☆

【議案の名称】
憲法第25条の生存権保障を実現するため、生活保護をはじめとする社会保障制度利用の支援及び同制度の整備・充実を求める活動に積極的に取り組む決議承認の件

【議案の趣旨】
日本司法書士会連合会は、市民に寄り添う「くらしの法律家」として、市民の命と生活を支えるため、現在の日本社会が直面している貧困問題に真正面から向き合い、経済的困窮者支援活動を更に推進することを決意し、生活保護法をはじめとする社会保障制度の整備・充実を求めて、下記の事項に積極的に取り組むことをここに決議する。



(1) すべての人の健康で文化的な生活を保障するため、貧困の実態を明らかにし、生活保護費の削減を至上命題とした制度の改悪を許さず、生活保護をはじめとする社会保障制度の整備・充実を求めるため、積極的に国等に対する提言助言を行うこと。

(2)生活保護をはじめとする社会保障制度を必要とする人が当たり前に、そして安心して利用できるよう、福祉事務所の窓口規制等の違法な運用を是正するために、全国各地における相談体制の構築を図ること。

(3)生活保護制度や社会保障制度全体のあり方が冷静に議論され、経済的困窮者が社会保障制度を利用することについて、謂われなき差別・偏見により人権の侵害を受けない様に社会に対する啓発活動を行うこと。

(4)上記活動を真に意味のあるものにするために、貧困問題に取り組む関係諸団体との連携・協働を積極的に行うこと。

【提案理由】
1.現行生活保護法が制定された1950年以来前例のない大幅な生活保護基準の引き下げが、本年8月から実施される。さらに、多くの問題点の指摘があるにもかかわらず充分な議論がなされることなく、生活保護法の一部を改正する法律及び生活困窮者自立支援法が今国会にて可決、成立されようとしている。
子ども貧困対策推進法、社会保障制度改革国民会議も含め、同時進行的に、わが国の今後の社会保障の方向性を左右する非常に大きな議論が進められている。

2.そもそも、生活困窮にいたる要因は、雇用状況や労働環境の悪化、家族からの暴力や家族関係の断絶、さらには社会保障の不備など、社会的かつ複合的であり、そのような市民を支えていくのは「自助努力」や「家族の扶養」などといった、あいまいで不透明なものではなく、公的な、確かなセーフティネットとしての社会保障制度である。
現在日本における、生活保護利用者は過去最多の約216万人に上るものの、受給資格がある世帯のうち、実際に受給できている世帯の割合を示す「捕捉率」は2~3割であり、これは先進国中で異常に低い状況である。
このような状況であるにもかかわらず、社会保障制度を利用することに新たな障壁を設定し、個人や家族にその責任を転嫁してしまうことは、社会全体が自らのその責任を放棄することにつながる。

3.生活保護バッシングにみられるように、自助や共助のみを過度に推し進めるのではなく、貧困の実態に即し、一人ひとりの「いのち」に目を向けた、「持続可能な社会」に向けた、社会保障制度の構築を目指さなければならない。

4.我々司法書士は、全国にあまねく存在し、日常生活から生じる法的なトラブルの解決とその予防のため、国民の信頼を得ながら現場において活動してきた。
特に多重債務の背景には貧困問題があり、貧困問題は個人の努力のみによって解決困難な社会構造的問題であるというのが長年多重債務問題に携わってきた我々の共通の認識である。
よって、市民の命と生活を支えるため、貧困問題と真正面から向き合い、経済的困窮者の支援のための担い手となり、生活保護をはじめとする社会保障制度の整備・充実を求めることは、市民に寄り添う「くらしの法律家」としての司法書士の使命であり、司法書士全体で積極的に取り組まなければならない重要な問題であると考え本決議案を提案するものである。

以上

☆転載終了☆

 

※この記事のリンク用短縮URLです。⇒ http://nationalminimum.xrea.jp/jssl130620

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