生存権裁判を支援する全国連絡会《生活保護法「改正」案の衆院での強行採決に抗議し、廃案を要求します》

生存権裁判を支援する全国連絡会」が2013年6月4日に発表した《生活保護法「改正」案の衆院での強行採決に抗議し、廃案を要求します声明を転載させていただきます。

☆転載開始☆

衆議院議長  伊吹文明 様
内閣総理大臣 安倍晋三 様
厚生労働大臣 田村憲久 様

生活保護法「改正」案の衆院での強行採決に抗議し、廃案を要求し ます

2013年6月4日

生存権裁判を支援する全国連絡
会長 井上英

5月31日、衆議院厚生労働委員会で生活保護法「改正」案が自民・民主・公明などによる賛成で一部修正のうえで可決されました。28日に委員会で「子どもの貧困対策法」などと一緒に趣旨説明が行われ、29日に審議、31日に参考人を招いての審議。参考人の意見を聞いて十分審議をしないまま、性格の違う4本もの法案を一挙に採決するやり方は許せません。本日、衆院本会議で可決されました。ここに、「改正法」可決に強く抗議し廃案を要求します。

第1に、修正したとはいえ、生活保護申請に関連書類の添付が義務付けられるなら「添付書類がない」ことを口実に申請が受け付けられず、現行法で違法な水際作戦を合法化してしまうことになります。昨年1月の札幌市白石区で40歳代の姉妹の餓死、凍死、孤立死を始め、申請権侵害の違法な生活保護行政により命が失われる例が後を絶ちません。今回の、「改正」で、餓死・孤立死事件が増えることは、火をみるよりも明らかです。

第2に、扶養親族の扶養が事実上、保護申請の要件になっていることです。生活保護を申請すると親族へ照会がいくことは耐えがたいことです。そのため、申請をあきらめる人が少なくありません。これまた、餓死・孤立死、自殺をさらにうみだすことは明らかです。
このほか、ジェネリックの強要、不正受給をことさら強調して罰則を強化するなど、今回の生活保護法「改正」は、生存権ひいては人間の尊厳の侵害と言わざるをえません。したがって憲法13条、25条違反の可能性は濃厚であり、司法の判断を待つまでもなく、直ちに廃案にされるべきものです。

私たちは、老齢加算の減額・廃止処分、さらには、生活保護基準の引き下げ、そして今回の生活保護法「改正」は、憲法第25条違反であり、とりわけ2項の向上増進義務違反と考えます。
私たちは、すべての国民の生存権・ナショナルミニマムの確立をめざす立場から、生活保護法「改正」に反対し、重ねて廃案を求めます。

連絡先 160-0022新宿区新宿5-12-15 KATOビル
電話03-3354-7431 Fax 03-3354-7435

☆転載終了☆

 

※この記事のリンク用短縮URLです。⇒ http://nationalminimum.xrea.jp/seizonken130604

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