障害者の生活保障を要求する連絡会議《生活保護法改正案参議院採決に反対する緊急声明》

障害者の生活保障を要求する連絡会議が《生活保護法改正案参議院採決に反対する緊急声明》を2013年6月25日発表しました。その全文を転載させていただきます。

☆転載開始☆

生活保護法改正案参議院採決に反対する緊急声明
 
障害者の生活保障を要求する連絡会議

代表 伊藤 雅文
 
現在、国会で審議されている生活保護法改正案(以下、改正案)は、全ての国民に保障されている生存権を脅かすものであり、これまで生活保護法が果たしてきた役割を根底から覆すものである。特に、教育や労働、居住などあらゆる場面で社会から排除されてきた重度障害者にとって、生活保護はまさに「最後のセーフティネット」である。それと同時にその人らしい生活を送るための大切な資源の1つでもある。しかし、実際には現在の生活保護ですら申請時に窓口で追い払われたり、そもそも保護費が健康で文化的な最低限度の生活を保障するには不十分であることから、重度障害者の生活は厳しく、地域での自立生活をあきらめざるを得ない重度障害者も多い。
 
障害連はこれまでも障害者が家族から依存せず独立できる生活基盤の確立を訴え、扶養義務の範囲の見直しを強く求めてきたが、改正案ではこれとは反対に扶養義務を強化する内容が盛り込まれている。親族を含む家族間の扶養義務が強化されれば、親やきょうだいのもとから離れて自立生活をめざす障害者にとって大きな打撃となるであろう。
 
また、就労支援の強化についても、その必要性は大いに認めるが一方、就労が極めて困難で就労支援に馴染まない人たちにとって、生活保護の利用を妨げる可能性を指摘しておきたい。生活保護の利用申請にかかる手続きの厳格化により、いわゆる「水際作戦」と呼ばれる違法な窓口対応が合法化されることとも相まって、精神障害や難病をはじめとする慢性疾患をもつ人にとっても改正案が与える影響は大きい。外見上、障害が見えにくいことにより「働けるのではないか」とケースワーカーに判断されることも少なくなく、実際には働ける状態ではないにもかかわらず、申請を断られたり、生活保護を受けていてもハローワークに行くことを勧められたりすることもある。違法な窓口対応の結果、餓死や自殺に追い込まれる事件は後を絶たない。本来はこのような運用を改正するべきであり、水際作戦を助長するものであってはならない。
 
昨年10月に障害者虐待防止法が施行され、虐待として認定された1033件のうち、81%が家族からの虐待であることが今年5月に報道された。障害者の生活保障をおざなりにしたまま、「世帯」を単位とする家族主義や「経済的自立」ばかりに重きを置く自立観を強化する改正案について私たちは反対である。ましてや十分な審議もしないまま、どさくさまぎれのように、明日(6月26日(水))に強行採決されようとしていることに大きな怒りを覚え、その中止を強く訴える。

☆転載終了☆

 

※この記事のリンク用短縮URLです。⇒ http://nationalminimum.xrea.jp/shogairen130625

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