「沖縄タイムス」と「琉球新報」の生活保護関連記事

沖縄タイムス」と「琉球新報」の生活保護関連記事を紹介させていただきます。

※記事の一部 「沖縄タイムス」2013/5/20「論壇 生活保護費下げ 影響大 制度利用しづらくなる恐れ」。安里長縦(あさと ながつぐ/司法書士/那覇市/41歳)《生活保護たたきが止まらない》《生活保護費の引き下げはひとごとではなく、あらゆる制度に影響を及ぼす》《生活保護制度が後退すれば、人々の命と暮らしを支える全ての制度が利用しづらくなるのである》
「沖縄タイムス」2013/5/20「論壇 生活保護費下げ 影響大 制度利用しづらくなる恐れ」。※この記事を執筆された安里長縦さん(あさと ながつぐ/司法書士)は「STOP!生活保護基準引き下げ」 アクションのメンバーです。

※記事の全文 「沖縄タイムス」2013/5/19「社説 生活保護法 申請萎縮が懸念される」2013年5月19日 09時37分  生活保護制度へ厳しい目が向けられる中、政府は不正受給対策を強化した「生活保護法改正案」と、受給手前の生活困窮者に向けた「自立支援法案」を閣議決定した。   自立を後押ししながら、受給者への厳格な対応も打ち出す内容で、成立すれば1950年の制度施行後、初めての本格改正となる。    決定した生活保護法改正案では、不正受給の罰金を現行の「30万円以下」から「100万円以下」に引き上げ、返還金には4割まで加算できるペナルティーをつける。   保護申請時には、本人の資産や収入を書き込んだ書類の提出を求め、申請者を扶養できないという親族に対しては、理由の報告も要求する。   背景にあるのは、人気タレントの母親が保護を受けていたことをきっかけに相次いだ「不正受給」報道や、生活保護バッシングである。   もちろん不正受給へは厳正に対処すべきだ。だからといって申請手続きまでも厳格化するのは、問題が違う。   そもそも住む所もない路上生活者や着の身着のまま逃げてきたDV被害者が、預金通帳や給与明細、年金手帳といった収入が証明できるものを持っているだろうか。   北九州市で生活保護の申請を拒まれた男性が孤独死し問題になった時は、家族の扶養義務を重視しすぎた対応が指摘された。死亡した男性は妻と離婚しており、子どもとの関係も複雑だったからだ。   引き締め策が保護のハードルを高め、必要な申請をためらう事態を招かないか、心配される。   法案のもう一つの柱は、自立のための施策の強化だ。   生活保護法改正案では、就労を促すため、働いて得た収入の一部を積み立て、保護から脱却した後に支給する「就労自立給付金」をつくる。   自立支援法案では、生活保護に至らないよう、仕事と住居を失った人に家賃を補助する制度を恒久化する。   受給者の就労インセンティブを高め、保護を受ける一歩手前の人たちに「安全網」を設けるのは、必要な対策といえる。   ただ自治体で先行する就労支援が、思ったような成果を挙げていないのが気になる。いったん就職しても長続きしないという。   対象となる人たちは、職業訓練を受ける機会に恵まれず、社会的にも孤立してきたケースが多い。仕事に就いた後も寄り添う「伴走型」の支援でなければ、有効に機能しないということだろう。   生活保護を受けている人は1月時点で約215万人。過去最多を更新し続けている。   貧困の広がりとは裏腹に、受給者に対するまなざしは厳しさを増している。   そもそも生活保護は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を権利として具体化したものである。生活保護の見直しで一番重要なのは、誤解や偏見のないよう制度の趣旨を社会全体で共有することではないか。   法改正に求められているのは、不正受給対策と同時に、本当に困っている人がいつでも安心して使えるよう安全網を再構築することだ。
「沖縄タイムス」2013/5/19「社説 生活保護法 申請萎縮が懸念される」

※記事の全文 「琉球新報」2013年5月20日 [月]社説   生活保護改正案 申請手続き厳格化は疑問    不正受給対策を強化する生活保護法改正案と、生活困窮者自立支援法案を政府が閣 議決定した。  不正受給は許されないし、生活困窮の負の連鎖を断ち切る支援策の拡充も必要であ る。しかし今回の改正案は、不正受給対策を名目に手続きを過度に厳しくし、法制度 を骨抜きにすることにならないか、疑問を禁じ得ない。  改正案では罰則を強化し、不正分の返還金にペナルティーとして4割加算できるよ うにしたほか、受給者を扶養できないとした親族に理由の報告を求めることとした。  問題なのは、生活保護の申請時に、受給者本人の資産や収入などを書き込んだ書類 を提出することを明記したことだ。  現行運用では、住居の賃借契約書や預貯金通帳などの必要書類は申請後に求められ れば提出することも可能だが、改正案はこれら書類が申請時にそろっていなければ受 け付けないとの趣旨だ。  しかし、これは厳しすぎる。実際に生活に困窮し、一刻も早く支援を必要としてい る人に対し、書類が用意できないのなら申請するなとでも言うのか。受給者支援団体 などから「申請窓口でシャットアウトする『水際作戦』を合法化するものだ」と反発 が上がるのも無理はない。  政府は「運用はこれまで通り」として、書類不備を理由に窓口で門前払いしないよ うに各自治体に通知するという。しかし運用が変わらないのなら、なぜ法律を改めて 明記する必要があるのか。  不正受給者の割合は受給者全体のごく一部との指摘もある。その対策を重視するあ まり、受給のハードルを上げるのは、現在でも本当に必要としている人に行き届いて いないとされる生活保護制度を、さらに形骸化させかねない。  一方政府は、生活保護に至らないよう仕事と住居を失った人に家賃を補助する制度 を恒久化するなどの方策を打ち出した。こういった自立支援策は着実に推進してもら いたいが、これは何も、生活保護受給の申請手続きを厳格化しなければできないとい うものではあるまい。  生活保護費のうち「生活扶助」の基準額が8月から3年程度かけて段階的に引き下 げられる。申請手続きの厳格化案は「最後の安全網」としての生活保護制度をさらに 危うくする恐れがある。国会での慎重審議を求めたい。「琉球新報」2013/5/20「生活保護改正案 申請手続き厳格化は疑問」

カレンダー

<<2013年05月>>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

カテゴリー

最近の記事

アーカイブ